【過去問解説】水問題の基本を押さえておこう(滝中2017・大問3)
いつもご覧いただきありがとうございます。 今回は愛知県の名門校・滝中学校に注目して、差がつく一題を選んで解説していきます。 今回は 2017 年度の大問 3 を扱います。問題文は以下の通りです。
図1のように直方体の形をした 3 つの石 A, B, C があります。石 C の高さは不明です。また,水の入った直方体の形をした容器があります。その容器に石 A を図 2 のように入れると,水面の高さは 4.5 cm になりました。そこに石 B を図 3 のように入れると,水面の高さは 6 cm になりました。ただし, どちらの石も斜線部分(図では青色にしています)の面を容器の底につくように置きます。このとき,次の問いに答えなさい。
(1) 図 3 において,石 A, B の水の中に入っている部分の体積の合計を求めなさい。 (2) 容器の底面積を求めなさい。 (3) 容器に入っている水の体積を求めなさい。 (4) 図 3 の状態からさらに石 C を,斜線部分の面を容器の底につくように置いたところ,水面の高 さは石 C の高さと同じになりました。石 C の高さを求めなさい。
(1)は確実に正解しておきたい問題
それでは解説を始めます。まず(1)ですが、滝中合格を視野に入れるならこの問題は正解しないといけない問題です。
あらためて図 3 を見ると、A は完全に水没し、B は 6 ㎝ 水につかっている状態です。 したがって、A は 3 × 4 × 5 = 60 ㎤、B は 6 × 7 × 6 = 252 ㎤ となり、合計して 312 ㎤ が正解です。
体積が同じところでは、底面積と高さは逆比
つづいて(2)(3)です。この 2 題は入試本番でも差がつく問題になると想定されます。 (2)ができれば(3)は底面積と高さをかけるだけなので、(2)をしっかり正解すれば一気に得点できるチャンスが広がりますね。
では、(2)を攻略するポイントは一体なんでしょうか? それは、水の体積が図 2 と図 3 で同じなので、底面積と高さが逆比になることです。 水問題では「体積が同じ→底面積と高さが逆比」という流れ が王道になっています。今回もその方法を使って解き進めていけば良いですね。
ここでふたつの図を見ると、図 3 はふたつの棒の高さが違うため、途中で底面積が変化してしまい解きにくいです。そこで、ふたつの棒を合体してひとつの棒のように扱うことにします。 (1) から A と B を合体した立体(これ以降 A+B と書くことにします)は深さ 6 ㎝ の水の中に312 ㎤ 入っていることがわかるので、底面積が 312 ÷ 6 = 52 ㎠ の棒をいれているのと同じことになります。これを踏まえて図 3 を書き直したのが下の図です
この図で青色の部分が水を示しています。先ほども述べたように、水の体積は同じなので、底面積と高さは逆比です。したがって、高さ比は 4.5 : 6 = 3 : 4 より、水の部分の底面積は 4 : 3 ですね。
一方で直方体の容器の底面積は変わっていません。にもかかわらず水の部分の底面積が異なるのは、入れている棒の底面積が異なるからですね。 ここから、④ - ③ = 52 - 12 = 40 ㎠ とわかり、① = 40 ㎠ と求められます。
よって、(2) は 12 ㎠ + ④ = 12 ㎠ + 160 ㎠ = 172 ㎠ と求められます。 また、(3) は底面積 160 ㎠、高さ 4.5 cm とわかるので、160 × 4.5 = 720 ㎠ となります。
地道に計算する最終問題
最後に(4) です。この問題は地道に計算すれば解ける問題ですが、残り時間とほかの問題次第では一旦後回しにしてもいい問題だと思います。
棒 C を入れた状態が出題さ れていますが、この図は用意されていないため自分で書くことがスタートラインです。(3) までに分かった数字を書き入れた図が以下のものです。
ここで720 ㎤ の水に注目すると、底面積の異なる 3 つの場所に分けることができます。体積は下から順に
一番下の赤いところが 46 ㎠ × 5 cm = 230 ㎤ 真ん中の青いところが ( 46 ㎠ + 12 ㎠ ) × ( 8 cm - 5 cm ) = 174 ㎤ 一番上の緑のところが ( 46 ㎠ + 12 ㎠ + 42 ㎠ ) × □ cm = 100 × □
となります。 ここで水全体は (3) から 720 ㎤ なので、みどりの部分は720 ㎤ - (230 ㎤ + 174 ㎤) = 316 ㎤ とわかります。 したがって 100 × □ = 316 より □ = 3.16 cm となり、緑の高さは 3.16 cm です。
訊かれているのは棒全体の高さですから、5 cm + 3 cm + 3.16 cm = 11.16 cm となります。
いかがでしょうか。水問題は差のつきやすい単元ですが、図を描いて定石どおりに考えていけば得点しやすい単元でもあります。まずは基本問題をたくさん練習して、水問題の定石をしっかり押さえておきましょう。