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【数学の偉人】図形の決まりを作った幾何学の父・ユークリッド

始めに

算数を勉強していると、「この部分はこういうものだから覚えてね〜」って先生から言われることがありますね。いわゆる「当たり前」ってやつです。

ただ、「その『当たり前』って、誰が決めたの?」って思ったことはないでしょうか。

算数や数学も初めから世の中にあったわけじゃなくて、2000年以上も昔から一生懸命研究していた天才たちがいて、彼らが見つけた発見の積み重ねを今みんなは勉強してます。

だからこそ、そんな数学の天才たちがどんな人たちだったのか知るだけで、ちょっと算数や数学が楽しくなるんじゃないかなって思います。

そこで今回は、算数・数学の当たり前を作った偉人たちについて紹介していきます。 記念すべき初回は「ユークリッド」について紹介します!

幾何学の父・ユークリッド

ユークリッドは紀元前3世紀ごろに古代エジプトで活躍した数学者で、「幾何学(きかがく)の父」とも呼ばれています。幾何学っていうのは簡単にいうと「図形」のことです。

つまり、みんなが勉強している図形のルールを最初に決めた人がユークリッドです。

このおじさんはとにかく謎だらけで、誕生日すらも実はわかっていません。 ただ真面目な人だったらしく、当時のエジプトの王様から「幾何学を勉強するのに近道はないのか?」ときかれたユークリッドは「幾何学に王道なし」と答えたと伝わっています。勉強に近道なんてないからがんばろう、って言ってるんですね。

ユークリッドの1番の大仕事は「原論」って本を書いて、古代数学の全てを本にまとめたことです。この原論には図形のことだけじゃなくて、数の性質などについても書かれています。「ユークリッドの互除法」も彼の有名な発見の一つですね。

ユークリッドが決めた幾何学の公準

数学の世界ではある決まりが正しいことを確かめる(これを証明するって言います)ことを繰り返しています。

例えば、小学校に入学すると「1+1=2」って習うけど、実は1+1=2が正しいことも昔の数学者が証明しているから使えるんです(1+1=2がある条件では正しくないとしたら、そんな計算は使えませんよね)

ここで大事なポイントですが、「証明には前提が必要」です。

例えば、三角形ABCの内角(内側にある3つの角)をすべて足したら180度になることを証明したいとします。 このためには、角Aの外角は角B+角Cとなって(わからない人は外角定理で調べてみよう)角A、角B、角Cが一直線に並ぶから180度、って証明することが多いんだけど、この証明のためには「一直線=180度」という前提が必要ですね。

こんな具合に証明に必要な前提のきまりをまた証明して……って繰り返していくと、この繰り返しが無限に続いてしまいます。

そこで、証明しなくても正しいとみなして使っていいルールを最初に決めておくことで、証明の無限ループから抜け出せるようになりました(RPGでキャラクターが動くフィールドを用意する感覚に近いかな)。

ユークリッドはこの最初に用意するルールを「公準(現在では公理)」と名づけ、5つの公準を編み出しました。

公準1: 点と点は直線で結ぶことができる

これは紙とペンを用意して実際にやってみるとわかりやすいです。

まず、用意した紙に点を2個、テキトーな場所に打ってみてください。そして、その2つの点を定規で結んでみてください。

どこに点を打っても、絶対に1本まっすぐな線(点と点をむすぶ長さの決まったまっすぐな線を線分と言います)を引くことができるでしょ?これが公準1です。

公準2: 線分は両端を延長して直線にできる

さっきテキトーに2つ点を書いて、その2点を定規を使って線で結んだよね。そしたら、その線分にもう一度定規を当てて、今度は両端から線を伸ばしてみてください。

もちろん、どんな線でも両端に線を伸ばすことができますよね?これが公準2です。

ちなみに、両端ともまっすぐな線が途切れることなく続く線を直線、片方の端だけまっすぐな線が伸びているような線を半直線と言います。

公準3: ある1点が決まれば、その点を中心をした円を描ける

公準3はコンパスで円を描く原理を考えればわかりやすいですね。

コンパスって針をどこに刺しても、針が刺さった場所を中心とした円をかけます。しかも、腕の開き具合(これが実際には半径の長さを決めています)を変えるだけで円の大きさも変えられます。

公準4: すべての直角は互いに等しい

これは三角定規にある直角の部分について、定規の向きや場所を変えたとしても直角の部分の角の大きさは変わらないということです。

ここまでくると当たり前すぎて、「逆に何を言っているんだ?」と思う人もいるかと思います。

ただ、角度は多角形の形を決める重要な要素なので、向きや位置が変わっても角度が変わらない性質を持つことで合同や相似を考えられるようになります。

公準5: 平行性公準

この公準は以下のように説明されることが多いです。

「直線が2直線と交わるとき、同じ側の内角の和が2直角(=180度)より小さいなら、この2直線は限りなく延長されたとき内角の和が2直角より小さい側において交わる。」

何言ってるかさっぱりわからない人がほとんどだし、正直僕も何言ってるのか最初はわかりませんでした笑

そこで、さっきと同じように紙とペンを用意して、実際にやってみましょう。まず、紙に1本の直線を引いてください(この直線を直線Lとします)。

次に2本の直線を、直線Lと垂直に交わらないように引いてください(この直線を上から順に直線M, Nとします)。

直線MとNをずーっと伸ばすとどこかで交わると思います。

このとき、直線Lと直線M, Nの間でなす角の大きさをたすと180度未満になるはずです。

一見すると正しそうに見えるこの公準ですが、ユークリッドの生きた時代から約2000年の時を経た1800年代になって、天才数学者ガウスらによって成り立たないケース(反例)が発見されました(球の表面で3つの直線が全て直角に交わる場合)。

成り立つことが証明されるのが大発見になるのはわかりますが、成り立たないことが証明されて大発見になることからも、いかにユークリッドの功績が大きいかわかりますね。

終わりに

ユークリッドが生きた紀元前は日本では弥生時代にあたる時期でした。

こうした時代に生きた学者の発見が2000年以上経った今でも私たちの生活に根付いていることは本当にすごいですよね。