2020年度・洛星前期
この記事では、洛星中学校の2020年度前期入試の問題を解説します。
ランク表
受験者平均点が120点満点中78.3点であり、およそ6割5分でした。例年と比べると大問2, 3の難易度が高めだったものの、大問6が基本的な群数列であり比較的簡単だったので、全体的な難易度のバランスはそこまで大きく変動していないと思われます。「前半=簡単」という先入観を持たず、しっかり得点すべき問題を見極めて取り組んだ受験生が得点を伸ばしたものと推測されます。
※各問題のランクは以下の通りです
- A: 確実に正解しておきたい
- B: ここで差がつく問題(少しでも正解できると良し)
- C: 捨て問(本番では適当に答えを書いて飛ばしてもOK)
| 大問番号 | 小問番号 | 大カテゴリ | 小カテゴリ | ランク | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | (1) | 計算 | A | ||
| 1 | (2) | 計算 | A | ||
| 1 | (3) | 計算 | A | ||
| 2 | (1) | 比と割合 | B | ||
| 2 | (2) | 比と割合 | 和一定の利用 | A | |
| 2 | (3) | 速さ | 時計算 | B | |
| 3 | (1) | 平面図形 | 折り返しの角度 | B | |
| 3 | (2) | 平面図形 | ベンツ切り | A | |
| 3 | (3) | 平面図形 | 面積の求積 | A | |
| 4 | (1-ア) | 立体図形 | 角すいの体積求め | A | |
| 4 | (1-イ) | 立体図形 | 角すいの体積比 | A | |
| 4 | (2) | 立体図形 | 表面積の差 | B | |
| 4 | (3) | 立体図形 | 表面積求め | C | |
| 5 | (1) | 速さ | 旅人算 | A | |
| 5 | (2) | 速さ | 旅人算 | B | |
| 5 | (3) | 速さ | 旅人算 | C | |
| 6 | (1) | 規則性 | フィボナッチ数列 | A | |
| 6 | (2) | 規則性 | 群数列 | A | |
| 6 | (3) | 規則性 | 群数列 | B |
各大問の講評
大問2
(1): 「〇倍より△多い(少ない)」タイプの比合わせですね。一見すると複雑でとっつきにくいですが、一番短い黄色を 1' とすると青は 2' + 2m と表せます。したがって、赤は青の3倍よりも2m短いので、
( 2' + 2m ) × 3 - 2m
= 6' + 6m - 2m
= 6' + 4m
となり、全体は 9' + 6m = 60m とわかります。あとはここから 1' = 6m と求められれば答えが出るはずです。
(2): 2者間だけでお金などをやり取りする問題では、合計の金額が変化しないことを利用します。合計金額が同じことを利用して比合わせをしましょう。
(3): まずは時計の長針 (分針) と短針 (時針) が1分間に何度進むかを求めます。
| 針の名前 | 1hで進む角度 | 1分間で進む角度 |
|---|---|---|
| 長針 (分針) | 360度 | 360 ÷ 60分 = 6度 |
| 短針 (時針) | 360 ÷ 12h = 30度 | 30 ÷ 60分 = 0.5度 |
したがって、求めたい時刻を 1' 分とすると、長針の進んだ角度は 6' 度、短針の長針の進んだ角度は 0.5' 度と求めることができます。ここで時計の図を書いてみると以下の図のようになります。
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この図の12時~6時の部分に注目すると、長針と短針の進んだ角度の和が180度になることが分かります。したがって、
180度 ÷ ( 6 + 0.5 ) = 360/13 (分)
と求められます。よって答えは 6 時 360/13 分 です。
大問3
(1): 折り返しの問題ですが、折り返しの前後が合同になることがポイントです。この性質から等しい角度を求めることができるため、
(2): 点Cと点Fを結ぶと典型的なベンツ切りになります。補助線を結んでベンツ切りを作る問題は最難関校ですとよく出題されますので、発想として覚えておきましょう。
大問4
(2): 切断によって生じた正三角形はどちらの立体にも残っているので、表面積の差を考える際は考慮しなくてもOKです(どちらの立体にもあるなら、差を取るときに相殺されますよね)。正三角形以外の面を数えると下図の通りになり、162 - 54 = 108 と求められます。
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(3): 切断面を作図していくと、すべての面が下図の青で示した二等辺三角形になることが分かります。ここで、底面が直角二等辺三角形、高さが底面の直角二等辺三角形の短い辺の2倍となる三角すい(長いので「特別な三角すい」と呼ぶことにします)について、その展開図は正方形になることが知られており、今回切り取った6つの三角すいはすべてこの三角すいです。そして、特別な三角すいでは、切断によって生じる二等辺三角形が表面積(すなわち正方形の面積)の3/8倍になることが知られています。これらの性質を利用すると、1つの面の面積が
6 × 6 × 3/8 = 13.5 ㎠
とわかり、この面が12面あるので、
13.5 × 12 = 162 ㎠
と求められます。
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大問5
例年洛星では、速さと比の関係を活用する速さの問題が出題されます。速さと比の関係は次の表のようになります。
| 同じになっているもの | 比の関係 |
|---|---|
| 速さ | キョリ比 = 時間比 |
| 時間 | キョリ比 = 速さ比 |
| キョリ | 速さ比と時間比は逆比 |
今回の場合、ウサギとカメの進んだ距離が等しい箇所がたくさん見つけられるので、距離が等しいことを利用して速さと時間が逆比になることを使いこなしていきましょう。解き進めていくと下図のようなグラフを書くことができるため、(3)までは解けるはずです。

大問6
この大問はまず地道に計算してみて規則を見つける問題でした。分母が同じ並びを繰り返す典型的な群数列なので考えやすかったかと思います。群数列の場合は繰り返しの回数を求めることがポイントです。