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2023年度・洛星前期

この記事では、洛星中学校の2023年度前期入試の問題をざっくりと解説します。

ランク表

受験者平均点が120点満点中66.2点であり、およそ5割5分程度でした。前年度の受験者平均点が77.1点ですので、前年度と比べると難化したといえます。合格者平均はおそらく6割前半~中盤位と予想されますが、大問1~3の基本問題を手堅く正解できれば十分到達可能な問題でした。算数が得意な子であれば、大問4の旅人算も(3)までは得点したいですね。

各問題のランクは以下の通りです

  • A: 確実に正解しておきたい
  • B: ここで差がつく問題(少しでも正解できると良し)
  • C: 捨て問(本番では適当に答えを書いて飛ばしてもOK)
大問番号小問番号大カテゴリ小カテゴリランク備考
1(1)計算A
1(2)計算A
1(3)計算面積の単位A
2(1)文章題消去算A
2(2)文章題仕事算A
2(3)数の性質分数の和A
3(1)平面図形相似の利用A
3(2)平面図形面積の求積A
3(3)立体図形円すい台A
4(1)速さ旅人算A
4(2)速さ旅人算B
4(3)速さ旅人算B
4(4)速さ速さのつるかめC
5(1)平面図形面積の求積C
5(2)立体図形切断B
6(1)平面図形面積の求積A
6(2)数の性質タイルの切断回数B
6(3)数の性質タイルの切断回数C
6(4)数の性質個数求めC

各大問の講評

大問1

洛星合格のためには全て正解することが必須の問題です。

(2):2022 × 281 = 2021 × 281 + 281 というように、分配法則を使える形に変形できるかどうかがカギでした。

(3):面積の単位を覚えるときは、必ず一辺の長さに注目して覚えましょう。面積の単位では、一辺の長さは以下の通りです。

  • 1ha:一辺100mの正方形
  • 1a:一辺10mの正方形

大問2

大問2も洛星合格のためには全て正解することが必須の問題です。この問題でわからないところがある場合は、必ず反復して解き直しをし、確実に次は正解できるようにしましょう。

(1):鉛筆の値段を10', 消しゴムの値段を10'' としてふたつの式を作ると消去算に持ち込めます。

(2):Cが8日で仕事を終えると書いてあるので、Cの1日の仕事量を1としたときに全体は8となります。あとは与えられた条件から、AとBの1日の仕事量を求めましょう。

(3):既約分数の和を求める典型問題です。この手の問題では出てくる分数を帯分数の形で考えて、整数部分と分数部分の和をそれぞれ求めていきましょう。

大問3

大問3は図形の典型問題であり、こちらも洛星合格のためには全て正解することが必須の問題です。この問題でわからないところがある場合は、必ず反復して解き直しをし、確実に次は正解できるようにしましょう。

(1):ちょうちょ型の相似を見つけて、対角線上で比合わせをする問題です。典型問題なのでできるようにしておきましょう。

(2):等積移動をすると、半円からはっぱ型の半分を引いた形になります。

(3):円すい台から円すい台を引いた形でしたが、体積を求めるときに相似比を使うと計算量を減らすことができました。**相似な立体の体積比は相似比の3乗(相似比×相似比×相似比)**になります。途中で分数が出てきて戸惑うと思いますが、最後の引き算で綺麗に分数が消えるので、落ち着いて計算しましょう。

大問4

例年洛星では、速さと比の関係を活用する速さの問題が出題されます。速さと比の関係は次の表のようになります。

同じになっているもの比の関係
速さキョリ比 = 時間比
時間キョリ比 = 速さ比
キョリ速さ比と時間比は逆比

(1):算数が苦手な子でもここまでは合わせたい問題です。AがBに追いついたとき、AとBの進んだ距離は等しくなるため、かかった時間は速さ比の逆比になります。速さの問題では、等しい時間や距離を見つけて比に持ち込むのが定石のひとつですので、等距離→逆比の流れはしっかり押さえておきましょう。

(2):Bが休憩後に進んだ距離はAが72分(198分 - 126分)で進んだ距離と等しいので、(1)と同じく等距離→逆比を使えば残りを進むのにかかった時間が出せます。

(3):Aの速さを5' とすると、全体の距離が

5' × 198分 = 990'

と出せます。同じ要領で考えると、(2)からBが休憩を終えて出発するのが正午から162分後と出るので、

8100m = 5' × 162分 = 810'

とわかり、1' = 10m と求められます。

(4):つるかめ算を使えることに気づけば意外と簡単な問題でした。とはいえ、(3)までを確実に合わせることが求められるため、残り時間との兼ね合いで捨ててもよい問題だと思います。

大問5

(1):明らかな難問です。30秒考えて捨てましょう。

(2):切断のルールをしっかり押さえましょう。

  1. 同じ面上にある点を結ぶ
  2. 向かい合った面に平行な線を引く
  3. 延長する

この3つのルールを使うと五角形が作図できます。

大問6

rakusei_zenki_2023_6(1)

(1):作図をする際に、上図のように「もし正方形の辺上に鏡がなかったら」と考えてみましょう。正方形を折り返して空間を広げていくと、縦2㎝、横3㎝のときに光はちょうど頂点Bに到達するとわかります。今回求めたい面積は青線で囲まれたひし形ですので、

1cm × (2/3)cm ÷ 2 = (1/3)㎠

となります。

(2):(1)の図から、(1)のケースでは4枚の正方形を光が通過していることがわかります。ここで、通過する正方形の枚数は

縦の長さ + 横の長さ - 1 = 通過する正方形の枚数

と表すことができます。ここで(2)では、たてとよこの長さの比が

縦:横 = 1 : (3/5) = 5 : 3

となるため、通過枚数は

通過枚数 = 5 + 3 - 1 = 7枚

となります。光の反射回数は通過枚数より1少ないので、7 - 1 = 6(回)反射したとわかります。(3)(4)もこの関係性を使って調べていけば解けますが、多くの方はここで躓くと思うので捨ててもOKです。